前のページ Top 次のページ
 
国際結婚について Page13
   それからもう一つの問題、結婚の問題だけ触れておきます。
これはむしろ佐々木さんの方がご専門というか、いちばんケースを多く扱っていらっしゃるので全体の事だけ話しますが、国際結婚というのは大事なことです。
実はこのあいだの国会で入管法改悪が審議されたとき、これに反対するロビー活動でずいぶん頑張れたのですが、頑張れた一つの大きな理由は、外国人の配偶者、夫を持つ日本人の女性達が、ものすごく頑張ってくれました。
これは歴史上初めてだったと思いますが、私も少し作戦を考えて、「パートナーの国の衣裳を着て来て下さい、満艦飾できて下さい」とお願いしました。
民族衣裳の十数人がずらっとならんで国会の中をのし歩きますとね、これは目立ちますよ。
委員会の傍聴に入ったらですね、「うわーっ国際化した」という風に職員の方々が言ったそうですが、口で言うより視覚から感じてもらえた。
その女性達が何で怒ったかというと家族を引き裂くような法の改悪をする事に対して、自分達が苦労してきただけに許せない、という事で頑張ってくれたのです。

 国際結婚があるということは二つの違った文化・民族が接するときに、一番そこで強く深くつながるわけで、これはすごく大事な事なんです。

 その上で、あんまり件数が多すぎるのは問題だということですね。
図では15万8千人と推定しています。
どの位の件数ならば妥当かなんて統計上出るもんじゃないですけど、二つの現象がはっきり現れているということです。

 その一つはですね、オーバーステイの上位4ヶ国、これが、昨年末の数字ですと一番が韓国ですね。そしてフィリピン、中国、タイという順序なんです。
それに対して結婚件数の上位4ヶ国が、順位はちょっと違いますが、中国、フィリピン、韓国、タイ、ちょっと中国と韓国が入れ替わるんですけれども。
つまりオーバーステイの上位4ヶ国と結婚件数の上位四ヶ国がぴったり一致するんです。
実は去年まではそうじゃなかったんですよ。
結婚件数の上位4ヶ国の4番目にアメリカが入ってたんです。
私はいずれひっくり返ると言っていたんですけれども、今年の統計を見ましたら数百人ですが、思ったよりも早くひっくり返った。だから上位4ヶ国が完全に一致するようになってきたのです。

 これは何を意味するかというと、オーバーステイにならせるような圧力、その圧力が結婚の方にも働いてるということですね。つまり日本に働きに来たい、日本で働きたいと。
けれども働く在留資格がないから一方ではオーバーステイになっちゃって無理して働いてる。

 そしてオーバーステイになっちゃってる人達が無条件で正規の在留資格が取れる道というのは結婚しかないんです。おかしいことはおかしいんです。でも実際にそれしかないんです。
時々相談を受けます。社長から「あんたよく働いているし会社にいてもらわないと困る人だからオーバーステイのままじゃ困る」と。「どんな証明書でもやるし協力するから何か正規の在留資格になる方法はないか。」と言われたと言って外国人の仲間が相談に来るわけですよ。
けれども私達は残念ながら「方法ありません。」と。
「どうしてもしょうがなかったら日本人と結婚しな。」なんて冗談で言ったりするんですけれども、そのために結婚するわけにもいかないですから。ただ結婚だけは国際人権規約の家族の保護規定というのがありまして、家族は保護されなきゃいけない。だから「入管法に違反しているから家族は別れて暮らしなさい。」とは絶対に言えないですから、結婚という場合には認められ「在留特別許可」というのが出るわけです。
それがあるもんですから、逆に言うとまさに在留資格を得るために多少無理でも、我慢して結婚しちゃうということが少なからずあってこれだけの件数になるものと思われます。

 それからもう一つは、最近の相談の中のケースがですね。
この間もちょっと集まって話し合った時に「最近は国際結婚の相談というのは減ったと。多くなったのは国際離婚だ。」と女性シェルターの関係者が語っていました。

 シェルターに逃げてくる女性も結局結婚したけど日本の男性が非常に悪質な、というかふさわしくない男性で、妻に対して暴力を振るう。あるいは一人のフィリピン人の女性と結婚して子供が出来ているのに、また別のフィリピン人の女性と今仲良くしている。
そういう事でですね、それで女性が逃げてくる、相談に来るというケースが多くなったんです。

 これなんかですね、日系人のケースもそうですし、結婚のケースもそうですけれども実際に日本に働きに来なきゃならない人達がたくさんいるのに、それにふさわしい受け皿の制度が整っていないというか、整える気が毛頭ない。働きに来ちゃ困るという考え方だけで入管行政をやっているものですから、その辺のしわ寄せがこういう形でいろんな所に出ているということです。
 
   
 
前のページ Top 次のページ